【障がい者雇用】数字のその先へ:社員も会社も『いきいき輝く職場』を育む、大切な視点とは?

障がい者雇用・採用

障害者雇用に関わる企業の方なら、毎年どこかで頭に浮かぶこの言葉、きっとありますよね。

  • 「うち、今、何人になった?」
  • 「あと何人で達成するの?」
  • 「6月の、あの…報告書、提出いつだっけ?間に合わないとマズいかな?」

(※正式には「障害者雇用状況報告書」。毎年6月1日時点の状況をハローワークに出すアレです。)

「やっと雇用率達成しました!」

職場にて、こんな会話を一度でも耳にした経験、あなたにもありませんか?

国が定めた数字をクリアすること、社会の一員としての責任、そして企業の義務ですから、もちろん大切なことです。
けれど、もしかしたら、その数字の達成に、一喜一憂しているだけになっていませんか?
そして、ただ数字を追いかけ、クリアしたその先に、ふと、心にこんな問いが浮かんでくることはないでしょうか?

で、その先は?

この雇用は、一体、誰のため、何のためにあるんだろう?

法定雇用率がなければ、障がい者雇用の扉は広がらなかったかもしれない。
しかし、数字を追いかけるばかりだと大切なものを見失ってしまうかもしれない。
この問いを突き詰めることは、ときに葛藤を生み出します。
そんなモヤモヤとするテーマは、そんな問いから考えてみたいと思います。

1. 法定雇用率という『今の基準』:数字の向こうに広がる、会社と人の未来

障害のある方が、その人らしく働ける社会を目指して、「障害者雇用促進法」は生まれました。この法律には、会社という場所が「誰もが働きやすい職場になろうよ」という、温かい願いが込められていると、私は信じています。

具体的には、法定雇用率は少しずつ、けれど着実に引き上げられてきました。例えば2004年には1.8%でしたが、今や2024年には2.5%、そして2026年には2.7%になる予定なんです。これは、従業員が100人の会社なら、そのうち2〜3人は障がいのある方を雇用する、という計算になります。

こうした動きと並行して、企業における障がい者雇用者数は右肩上がりで、なんと20年連続で過去最高を更新し続けているようです。

この数字を見ると、ひとつの会社だけじゃなくて、いろんな企業の現場で、そして支援する人たちの現場で、本当に少しずつ、誰かが動いてきたんだな、と。その一歩一歩が、確実に積み重なって今の数字になっているんだって思うと……会社で働く皆さんの努力って、本当に素晴らしいですよね。

それでも現場からは、こんな本音の声が聞こえてくることもあるようです。

  • 「また雇用率が上がってしまった……正直、大変だな」
  • 「義務だから、仕方なくやっているだけだよ」
  • 「納付金を払うよりはマシ、と思って合わせているだけ」――

そうした声も少なからずあるのは事実ですが、これまでの一歩一歩には、きっと確かな意味があったはず。そう、私は見ています。

もしその一歩が、いつの間にか「あと何人足りないか」という数字だけになって、雇用がただの“ノルマ”になってしまったとしたら――それはきっと、会社にとっても、社会にとっても、そしてこれから働こうとする一人ひとりにとっても、あまりにも、もったいないと思いませんか?

なぜなら、障がい者雇用は「人数を満たすこと」だけがゴールじゃないですよね。

その人が自分らしく力を発揮し、チームの一員として、心からいきいきと働いている。
そんな温かい姿があるからこそ、「雇用が進んだ」と、胸を張って言えるのではないでしょうか。

――「この雇用は、一体、誰の、何のためにあるんだろう?」

数字のその先にある、彼らの働く笑顔や、職場の中で活躍している影響力に意識を向けてみるだけで、障がい者雇用の風景は、見え方が変わって来るはずだと思っています。

2. 【企業の悩み】「どうすれば?」と立ち止まる――精神・発達障害を持つ方を『どう迎え入れれば?』という本音の声

実際の現場で、人事・採用担当、あるいは現場の皆さんから、こんな率直な声を聞くことがあります。

  • 「どんな仕事を任せたらいいか、正直、ピンとこなくて…」
  • 「長く続けてもらうには、どんな工夫が必要なんだろう?」
  • 「どう接したらいいのか、まわりの社員が戸惑っていて…」
  • 「精神や発達障害のある方って、一体、どう見極めればいいの?」

以前は身体障害のある方が中心だった時代から、今は精神・発達障害を持つ方が、かなり増えてきています。
だからこそ、今までの受け入れのやり方だけでは、戸惑う場面も増えてきたのかもしれませんね。

「どうしたら、みんなで一緒に、もっと良い職場をつくっていけるんだろう」

特性への理解や、そっと寄り添う方法がまだ見えないだけで、じつは障がい者雇用にやる気がないわけじゃないと思っています。

大切なのは、「誰を雇うか」だけじゃない。
「どう迎え入れるか」「どう働く環境を整えるか」を、もう一度、職場で、みんなで、じっくり見つめ直すことではないでしょうか。

私たちPark Styleがご提案する「見える化」のアプローチは、まさにこの「どうすれば?」を「こうしてみませんか?」に変えるための、大切な一歩を一緒に探していきます。業務のどんなところに難しさがあるのか、それぞれの特性をどう生かせるのか、社内のコミュニケーションはどうか。それらを具体的に見つめ直すことで、次の「一歩」が、きっとクリアに見えてくるはずです。

3. 雇用は、負担じゃない。会社も社員も『もっと自分らしくいられる』職場へ

障害者雇用と聞くと、「社会のためだから」「義務だから」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、実はそれだけじゃないんです。障がい者雇用は、あなたの会社を活性化し、社員一人ひとりが輝き、チームとしてもっと強く、そして働く場全体が心地よくなる可能性を秘めた、大切なきっかけでもあるのです。

3-1. 【誰のため?】採用される本人が、自分らしく輝くために

まず一番に、私たちは採用される方自身の「いきいき」とした姿を願っています。
それぞれの個性や能力を最大限に活かし、「ここでなら、自分らしく力を発揮できる」と心から思える職場環境を提供すること。それは、単に職務を遂行するだけでなく、その人自身の成長とやりがいを育む大切な基盤となります。社員一人ひとりが、自分の仕事に誇りを持ち、日々の業務を通じて充実感を得られる。そんな未来が、まず障がい者雇用によって拓かれるのです。

3-2. 【何のため?】組織にとっての意味:会社が、しなやかで強いチームになるために

次に、障がい者雇用は、組織そのものにも大きな意味をもたらします。

多様な個性が育む、組織のしなやかさ

色々な考え方や、新しい発想が会社に集まることで、組織のあり方はぐっと広がります。そして、みんなが同じ方向を向きすぎてしまう「こうあるべき」という固定観念も、自然と柔らかくほぐれていくでしょう。
会社全体が柔軟になって、ちょっとした変化にもしなやかに対応できるようになる。そんな力が、きっと育っていくはずだと信じています。

社会からの信頼と、企業価値の向上

多様な人々が一緒に働く会社は、きっと多くの人から応援されます。

「あそこの会社は、社員を大切にしているよね」

「色々な人が安心して働ける、素晴らしい会社だ」

そんな声が自然と集まり、会社への信頼と評判が、ぐっと高まっていくでしょう。これは、きっと良い人材を惹きつけ、会社の未来を照らす、大きな原動力になるはずです。

働く人のやりがいと誇りを育む職場

障害のある方と共に働くことは、既存社員の皆さんにとっても、きっと良い変化をもたらします。「誰もが働きやすい職場づくり」という視点から業務を見直すことで、結果として、ムリ・ムラ・ムダが減り、仕事の流れがスムーズになるケースも少なくありません。これは、障害のある社員さんだけでなく、「誰もが自分らしく」働ける環境づくりへと繋がる、嬉しい相乗効果を生み出すことでしょう。社員一人ひとりが「この会社で働いていてよかった」と、心から胸を張れる。そんな職場が、きっと育っていくはずです。

3-3. 【その両方が交わるところ】:「誰もが『自分らしく』輝く職場」の創造へ

これらの「誰のため」と「何のため」が交わる場所こそが、Park Styleが心から願う「誰もが『自分らしく』輝く職場」です。ここで言う「障がい者雇用」は、実は、その入り口に過ぎないのかもしれません。

採用された方が自分らしく力を発揮し、そのことが組織全体の生産性向上や企業価値向上に繋がる。そして、その過程で生まれた工夫や温かさが、既存社員も含めた全員が働きやすくなる土壌を育んでいく。

この優しい好循環こそが、私たちが目指す真のゴールであり、Park Styleが提供したい「価値」なんです。

こうした温かい変化を会社全体で生み出すためには、人事や採用担当さん『だけ』で頑張るのは、正直、泥臭くて大変なこと。一人で抱え込まず、時には私たちのような外部の人間を頼ってほしい。

だからこそ、会社のトップが「さあ、みんなで、もっと『いきいき』働ける会社を創ろう!」と、社員の皆さんに温かく呼びかけ、会社全体の未来を見据えた、ポジティブな視点として、この「誰もが働きやすい環境づくり」を位置づけていくこと。

それが、何よりも大切な、未来への第一歩だと、私は心から感じています。

4. 目指すは『みんなが笑顔で働く職場』:Park Styleが心を込めて伴走する、貴社の未来

もう障害者雇用は、「法律だから」「仕方なくやる」ものではありません。
「人手が足りない」「社員が定着しない」といった悩みが尽きない今だからこそ、これは会社にとっての「未来への、温かい一歩」なんだと、私は強く感じています。

これから私たちが目指すべきは、障害のある方を“大切な仲間”として温かく迎え入れ、その力を最大限に引き出す、『みんなが笑顔で働く職場づくり』です。

そのために必要なことは、実は、意外とシンプルかもしれません。

  • 会社のトップが『本気で想いを伝えること』
    • → 「誰もが自分らしく輝ける会社は、もっと強くなれるんだよ」と、明確なメッセージを社員の皆に、心から伝えていくこと。
  • 一人ひとりの特性にそっと寄り添った工夫
    • → 精神・発達障害も含めた、色々な個性を持つ方々に対して、仕事の進め方や社内の体制を、柔軟に見直していくこと。私たちPark Styleは、この「どう見直すか」を、『見える化』という優しい視点から、具体的に伴走していきます。
  • 社内の『理解』と『あたたかい雰囲気』を育てること
    • → 共に働く仲間として、自然と受け入れられる土壌をじっくりとつくっていく。日々のちょっとした声かけや、温かい対話が、きっと大きな変化を生み出すはずです。
  • 安心して働き続けられる環境を整えること
    • → 面談や、時には柔軟な働き方など、「ここでなら、自分らしく成長していける」と心から思える環境を、一緒に創っていくこと。
  • 外部との連携も、きっと大きな力になる
    • → 地域の支援機関さんや専門家さんと手を取り合って、採用から定着、そしてその後の成長までを、一緒に支えていくこと。

5. 最後に:数字のその先にある『いきいき』とした職場の風景へ

障害者雇用を「義務」ではなく、「会社と社員がもっと心地よくなるきっかけ」として、もう一度、温かい心で見つめ直すこと。

せっかくの雇用が、“あと何人足りないか”という数字に置き換えられてしまったら――。
それはきっと、会社にとっても、社会にとっても、そして何より、これから働こうとする一人ひとりにとっても、あまりにも、もったいないことかもしれません。

だって、障がいのある方が働くって、ただ「人数を満たす」ことがゴールじゃないですよね。

それぞれが自分の力を発揮しながら、組織の一員として、心から生き生きと働いている。
そんな温かい風景が生まれてこそ、本当の意味で“雇用が進んだ”と、私たちは胸を張って言えるんじゃないかと思うのです。

――「この雇用は、一体、誰の、何のためにあるんだろう?」

数字のその先にある、働く人の笑顔や、職場の温かい空気に、ほんの少しだけ意識を向けてみる。
それだけで、障がい者雇用の風景は、きっと少しずつ、確かに変わっていく気がします。

会社にとっても、そこで働く人にとっても、そして迎え入れられる一人ひとりにとっても。それは、会社が変わり、組織が育ち、みんなの心が豊かになる、大切な一歩になるはずです。

このコラムが、あなたの企業にとって、「その先」を考える、温かいきっかけになれたら――
そんな気持ちを込めて、書いてみました。